現場録

社長が元気じゃないと、人が来ない理由──空気と体調の構造の話

突然ですが、実は私、「海水温熱士」という資格を持っています。
海水で体を温める施術を行う技術者で、現在「湘南海水温熱 SEA FORT」というお店に出資し、
FC化に向けた取り組みを事業のひとつとして進めています。

私はどちらかといえば“受ける側のプロ”ではありますが(笑)、
この療法を考案した嘉数(かかず)先生が、数日前に亡くなりました。

元気だった頃は、毎日満員だった

嘉数先生と直接関わったのは数回だけ。
弟子の先生から温熱を教えてもらい、何度か食事をご一緒した程度です。

お酒とタバコが大好きな、いかにも“沖縄の気さくなおじぃ”という雰囲気で、 人懐っこくて、周りの空気を柔らかくする人でした。

2年前までは、毎日7人ほどのお客さんが絶えず来店し、 何十年も「ゼロの日」は一度もなかったという人気店だったそうです。

体調を崩したとたん、不思議と人が来なくなった

ところが、嘉数先生が体調を崩してから、不思議なほど人が来なくなったそうです。
その後は、1日もお客さんが来ない日が続くという、以前では考えられない状況に。

お店はボロボロで、立地も決していい場所ではなかったそうです。 でも不思議と「居心地のいい場所」で、ずっと居たくなる空気があった。

ところが、体調を崩してから
「なんとなく居づらくなった」「以前の空気じゃなくなった」と弟子が語っていたのが印象的でした。
弟子自身も本店を離れ、やがてその店は静かに閉じていくことになります。

これ、実は私も経験している

この話を聞いたとき、私もまったく同じことを経験していることに気づきました。

9月はカビ取りの繁忙期。 でもある年、私はコロナにかかり、数週間まったく動けませんでした。

すると、なぜか「私じゃないとできない案件」が一気に来なくなったんです。
現場スタッフは稼働していたし、営業は止まっていない。なのに、なぜか“止まった”。

そして、私の体調が回復し、「そろそろ動けるかも」と思った頃── 不思議とまた、仕事の問い合わせが戻り始めました。

体調=空気。エネルギーは、空間に染み出る

私はこれも、構造の話だと思っています。

人の体調や状態は、その人がいる場所の“空気”を作ってしまう
それは湿度や温度のように測れないけど、たしかに存在する「流れ」のようなものです。

会社も、店舗も、住宅も同じです。 誰かの“重さ”や“よどみ”は、空気に出る。
逆に、エネルギーが軽くて動いていると、人は自然とそこに集まってくる。

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